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雪中松柏 愈青々

徒然なる山の備忘録 

錦繍の北ノ又川

sawa

ルート:越後 北ノ又川シッカイ沢(2015/10/17-18)
メンバー:MKさん、HTさん


10月は越後の沢のシーズンだが、今年は雪渓が多くてどこも微妙な感じ。
ならば来年以降に繋げる為にと、周辺の偵察を兼ねて北ノ又川本流へ。
紅葉のピークと重なり、思いがけず癒しの沢旅となりました。

10/17(土)
7:40 石抱橋-8:40 北ノ又川入渓-10:30 滝ハナ沢出合-13:00 板倉沢出合-14:10 シッカイ沢出合 C1

北ノ又川へは石抱橋からも入渓できるが、左岸と右岸にそれぞれ舗装路が少し伸びているので、そちらを利用した方が楽。今回は「河は眠らない」の碑がある石抱橋から左岸の舗装路を進んでいく。


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地形図を見ると、林道の終端地点で尾根を越えて北ノ又川に入る線があったのでそれを目指して進むが、いざそれらしき踏み跡まで行くと藪で踏み跡が消えてしまう。仕方がないので白沢出合付近まで戻って入渓準備。


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ここで、地元住民と思われる方が藪の中に入っていったが、後で沢中で合流したので、白沢出合付近に上流へと向かう道が伸びている様だ。また、他の方の記録を参考にすると、右岸の舗装路から坪倉沢まで行って入渓するのも悪くなさそうである。


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序盤は河原状だが水が冷たく、ネオプレーン靴下を履いていても足が凍える様に冷たい。しかし紅葉は最盛期を迎えており、元々の渓谷美と相まって素晴らしい景観。


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河原がさらに広くなるポイントでは、奥に北ノ又川の源流となる中ノ岳が鎮座しているのが見える。


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しばしの河原歩きの後、沢幅が狭まった地点に渡渉用の籠を設置している三人組に遭遇。入渓地点にもいた人達で、春のゼンマイ採りに向けて、準備をされているとのことであった。現地で本格的なゼンマイ採りの方々を見かけることは初めてだったので、中々感慨深い。


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入渓から一時間程度で箱淵に到着。泳がないと突破できない深さなので、右岸から巻く。しかしこの時期は、奥只見湖からイワナサクラマスが産卵遡上しており、とにかく魚影が濃い。但し、重要な種川でもあるので釣りは御法度。(永年禁漁区)


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箱淵先のゴルジュも胸まで浸かる深さだったので、左岸から巻く。


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あまり寒さ対策をしておらず、とにかく濡れるのを避けて巻き続けたのでペースはかなり遅め。夏だったら、泳ぎでどんどん進んでいけるはず。この時期はウェットスーツを持ってくるべきなのだろう。

先月の八久和川の時も感じたが、本流系の遡行は「泳ぎたくないから藪に入る」と「藪漕ぎにうんざりしたから沢に戻る」の繰り返しで、学習能力がない人になったかの様な錯覚を覚える。


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芝沢出合付近も本流に近寄らず、左岸をずっと進んで芝沢出合から少し奥に入った地点でクライムダウンして対岸(芝沢右岸)へ登り返す。トポによると不明瞭な踏み跡があるとのことだが、それらしきものは殆ど見当たらない。たぶん水線沿いに行った方が良かった。


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大ビラヤス沢出合も深い淵があるので左岸から巻いて、もう少し進んだところからようやく沢底へ。ここでメンバーが転倒して足を強打。しばらく休憩するが、なかなか痛みが引かない様子。
撤退する程ではないという事で、そのまま進むこととするが、さらにペースは落ちる。


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ゴルジュは概ねヘツリで突破できるが、一ヶ所胸まで浸かるポイントがある。巻きも悪いので、ここだけ仕方なく突破。後続はお助け紐で引っ張る。

10m2条滝は右岸から巻ける。この辺は岩壁の存在感も増して、さらに素晴らしい渓谷美が広がっている。


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シッカイ沢出合には左岸に絶好の幕営適地あり。本当はシッカイ倉沢出合まで行く予定だったが、メンバーの打撲具合もよくなさそうなので、ここで行動終了。明日はシッカイ沢からエスケープすることとする。
最盛期の紅葉の中、沢中でまったりと過ごす至福のひととき。


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10/18(日)
6:15 C1-10:00 稜線-11:30 荒沢岳 12:15-14:45 銀山平


満点の星空を眺めながら就寝、起床。居心地が良すぎて中々出発する気になれない。
シッカイ沢は序盤に悪い巻きを強いられる滝があるが、そこを突破すれば以降しばらくゴーロ帯。
8m滝を直登すると二俣になり、大きなナメ滝のかかる右俣へと進む。それぞれ念の為ロープ使用。
以後、しばらく美しいナメが続き、エスケープとは言え素晴らしい渓相が楽しめる。(メンバー曰く、黒い米子沢とのこと)


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最後は藪漕ぎもわずかで、灰ノ又山の北側へ突き上げる。ここでガチャを解除して、後は登山道を下るだけ。


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右手に灰ノ又沢を見下ろしながら、一時間強で荒沢岳へ。
山頂に着いた瞬間、目に飛び込んでくる奥只見湖と真っ赤な奥只見の山々に感動。


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未丈ヶ岳、毛猛山、浅草岳、会津朝日岳、丸山岳、貝ノ嵓スラブ…。
振り返ると会津駒、燧ヶ岳、平ヶ岳、奥利根源流部の山々、巻機山…。
山座同定も楽しいが、花降岳や蛇子沢付近の地形観察も忘れずに。
しかし、北ノ又川を挟んで対岸の越後駒ヶ岳~中ノ岳の東面は、どの沢も雪渓が多い。


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荒沢岳からの下降は前嵓の直下で危険箇所がある。通常は鎖が設置されているのだが、前日に積雪期に向けて撤去されており、ガチクライムダウンを強いられる。下山は気を抜いているだけに強烈。登山道という認識がなければ、普通は懸垂下降で下りるような斜面。一般登山者に対しては、鎖撤去後は通行不可としている様だ。


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最後に思わぬサプライズがあったが、山頂から二時間半で銀山平に到着。後は石抱橋まで歩いて行動終了。


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エスケープでやや行程をカットしてしまったが、周辺ルートの偵察は行えたので有意義な山行であった。越後の谷はどこも険しく遡行意欲が昂ぶる。また、越後の尾根は複雑な地形が続き、充実した雪稜が楽しめそうである。

同じ山域に何度か通って地理感覚を深め、帰ってから登山大系や昔の会報を開いてルートを知る。また、仲間からあのルートが良かった、面白そうなどの情報を聞く。
初中級者のうちはガイド本に掲載されているメジャールートから行くことになるが、そうやって調査を積み重ねて思いを高めてから臨む山行こそがやはり面白いので、精進せねばならない。

しかし紅葉に彩られたこの時期の北ノ又川はため息がでる程の美しさなので、それを堪能するだけでも十分に訪れる価値がある。興味のある方はぜひ遡行してみて下さい。

また、メンバーのお二人には楽しい週末をご一緒させていただき感謝です。
次回は二泊三日の行程で、北ノ又川本流を中ノ岳へと抜けてみたい。