デトノアイソメ周辺散策
10月の三連休は泊りの沢を予定していたが、全体的に天気が悪く沢中ができる状態ではなかったので、越後水無川の日帰り沢を二本実施。特に天気の悪い一日は周辺観光を楽しんで、天気が悪いなりに充実した三連休を過ごすことができた。
ルート:水無川デトノオオナデ沢(2016/10/8)
メンバー:ハッチ、MNPさん
6:30 駐車場-8:40 デトノオオナデ沢取付-12:00 鉱山道尾根-14:50 駐車場
しばらく林道を歩き、堰堤を越えた辺りから入渓。午前中は天気が持つかと思いきや、たまにポツポツと降ってくるので嫌な感じ。小一時間歩いて辿り着いたデトノアイソメは雪渓皆無。ここから右手の沢に少し入ると、デトノオオナデ沢の入渓点となる。
いきなり120m大滝が現れ、沢というより大滝登攀みたいな雰囲気だが、下部はそこまで難しくはなさそう。ただ、水無川流域は雨による出水が早く、すっきりしない天気をどう判断するかが難しい。
しばらくツェルトで雨をやり少し、少し雨が弱まったタイミングで、行けるとこまで行こうと出発する。
大滝の下段はフリーで登り、途中から水線左側をロープを出しながら登る。
中段はあまりスタンスがよくなく、濡れた岩の登攀は緊張させられる。ここが核心部でハッチがリードで越えてくれた。ブッシュ帯で切った後の上段はロープを出すものの、そこまで難しくなく快適に滝の落ち口に抜ける。
せっかく大滝を登って気分も盛り上がってきたが、今度はガスが湧いてきて視界もなくなる。しばらく手頃なスラブ滝を登っていくが、天気が回復する見込みもなく、帰りの沢歩きの増水も心配なので適当なところで行動打ち切り。
下山はデトノオオナデ沢上部を見上げて右手にある尾根を下降する。ここはガナヤマヅルネや鉱山道尾根と呼ばれており、過去に登山道が付けられていたライン。
どれだけ荒廃しているかと思いきや、藪をトラバースして取り付いてみるとかなり明瞭な道、というか立派な登山道。このルートは稜線直下が不明瞭で迷う人もいるみたいだが、中腹以降は問題なさそうだ。
悪天の為、水無川の深淵部は覗けなかったが、とりあえず前哨戦ということで一本やれてよかった。
元々、二泊三日の計画だったので、日帰りに変更した際の泊りの場所が問題だったが、ラッキーなことにメンバーの知人の実家に泊めて頂けることになる。しかもそこが某流域の玄関口ということで、サワヤ的には大興奮。とれたての新米や地元の野菜まで御馳走になり、素晴らしいひと時をすごさせて頂いた。
翌日はさらに天気が悪いので、車で下界観光。
昨年の大地の芸術祭で行けなかった作品を見に行ったり、酒蔵巡りをしたりと充実の一日。ボルタンスキーは豊島や庭園美術館も見に行ったが、やはり最後の教室が際立っている。
夜はいつぞやの奥利根合宿の打ち上げで利用した五十沢温泉の旧館に泊まり、八海山の花火を見ながらのんびりと過ごす。
ルート:水無川滝沢(2016/10/10)
メンバー:ハッチ、MNPさん
6:00 駐車場-8:15 滝沢出合-10:50 並び滝-12:15 核心部連瀑帯入口-14:20 奥ノ二俣-15:20 極楽尾根-16:40 駐車場
三日目は天気がやや回復するので、デトノアイソメより少し進んで、グシガハナに突き上げる滝沢へと入渓する。
F1を左壁から快適に直登すると、落ち口にびっしり残置があるので、それなりに入渓者は多いようだ。
続く滝は左壁に取りつくがいやらしい草付きでやや苦戦。二俣を右に進んで出てくる8m滝は左岸から巻く。
30m4段滝は見た目も立派なので、直登意欲を駆り立てられる。ハッチリードで右壁を登るが、落ち口で良い支点が取れないらしく小滝の上まで巻きあがってピッチを切る。
その後もF5、F6と頑張れば登れそうな滝が続くが、時間が厳しかったのでここは右岸から一気に巻く。
やがて前方に左右に並んだ滝が見えてくるが、ここが地形図にも記載されている並び滝。沢自体は三ツ俣になっており、右俣と中俣の中間尾根を登って、途中で中俣の滝の途中に出る。落ち口からの景色は中々素晴らしい。
この連瀑帯を越えると沢はゴルジュ地形になり、右手に15m2段滝が現れる。ここはロープを出して右壁を直登。この先はさらに強烈なゴルジュとなっており、先ほどと同じように右手から3段30mの滝が掛かる。
本流沿いは少し先に登攀不可能な凄い切れ込みがあるが、よく見ると右手の滝を右岸から巻くトラバースラインが見出せるので、ここを登ることとする。最初は草付きでまともなプロテクションが取れず怖いが、後半は適度にブッシュがある。なんとなく踏み後チックでそれなりに使われている巻きルートという印象。
1ピッチで尾根の乗越に辿り付いてロープをしまい、藪漕ぎトラバースで連瀑帯の途中に戻る。
15m滝はスタンスが細かいがなんとか登れそうなので、ロープを出して直登。登ってみるとその上にも滝が続いていたが、そのまま右岸の藪に入って最後は巻きで終わり。ここで滝沢の核心部は終了となる。
後は平凡な渓相を詰めていくのみだが、途中から極楽尾根への近道となる左手のクボに入り、多少藪を漕いで登山道に到着。メンバーのバスの時間がちょっと厳しそうだったので、急傾斜で泥で滑る登山道を駆け下り、最後の林道は走って駐車場へと戻る。
滝沢はその名の通り滝が延々と続く沢だったが、真沢や北沢のイメージと比べると渋めの渓相で、夏合宿のプレで来るようなイメージ。やや手強い滝もあるが、比較的巻きが明瞭なのでそれなりに安心感はある。
これでデトノアイソメ周辺の土地勘も大分身に付いたので、来週はいよいよ深遠部を目指す。