読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

雪中松柏 愈青々

徒然なる山の備忘録 

清麗なる黒蔵谷

ルート:南紀 大塔川 黒蔵谷~高山谷下降(2015/10/9-11)
メンバー:みなぽ


三連休は後半パートナーが仕事ということで、急遽有給を取得して一日前倒しで昨年から狙っていた黒蔵谷(くろぞうたん)へ。下降はお隣の高山谷へと移る二泊三日の周回コース。後半は少し雨に降られたが、南紀の誇るウォーターパラダイスを心行くまで満喫することができた。


10/9(金) 晴
10:20 駐車地点-10:50 黒蔵谷出合-12:50 出谷出合-15:20 高山谷出合C1

駐車地点からしばらく林道を歩き、黒蔵谷出合のやや下流から河原に降りる。
黒蔵谷に入るとまずは大釜を持った鮎返滝がお出迎え。釜を泳いで左壁凹角に取り付き、小さいステップを拾いながら上部をステミングで突破。


f:id:PerseidCross:20151013195745j:plain

f:id:PerseidCross:20151013195752j:plain


河原を少し進むと下ノ廊下と呼ばれるポイントに入り、癒し系の瀞場が連続する。流れもほとんどないので、ライジャケを来て軽く平泳ぎするだけで突破していける。


f:id:PerseidCross:20151013195759j:plain

f:id:PerseidCross:20151013195809j:plain


すでに10月上旬だが水温もそこまで低くなく、ライジャケを来ていれば問題なし。天気もよく、とにかく水の色が綺麗。立ち止まっては写真撮影の繰り返しで、遅々として進まない。二時間かけてようやく出谷の出合に到着。


f:id:PerseidCross:20151013195818j:plain

f:id:PerseidCross:20151013195826j:plain


ここから始まる中ノ廊下はゴルジュ地形が顕著で、下ノ廊下よりやや手強い。
CS2条2m滝は釜を泳いで左手から取り付くが、ヌメヌメで全く保持できず、意外と苦戦させられる。この渓は全体的にバイオフィルム多めなので、軍手&フェルトで行くべきなのだろう。


f:id:PerseidCross:20151013195849j:plain


一段と深い釜を持つ5m滝は一旦下部に取り付くが、相変わらずツルツル滑るので空身で気合を入れて取り付かないと直登は厳しい。パートナーは右岸の岩場から降りてくる気配がないので、しぶしぶと戻り左手から巻く。


f:id:PerseidCross:20151013195901j:plain

f:id:PerseidCross:20151013195916j:plain


5m斜瀑は釜を泳いで左壁に取り付き、アンダーガバを上手く使って被り気味の下部を突破。この渓は泳ぎだけでなく、頑張れば登れる小滝が多いのもポイント高い。


f:id:PerseidCross:20151013195936j:plain


この後も泳ぎが続き、アマゴやハヤの大群を愛でながら遡行。いい加減泳ぎでお腹いっぱいになってくる頃に高山谷出合に到着する。
この先、快適な幕場は少なそうなので少し早いがここで幕営決定。
行動時間こそ短いものの、今まで遡行してきた沢の中ではダントツの泳ぎ率。
さすが、ウォータークライミング発祥の地と噂されているだけのことはある。


f:id:PerseidCross:20151013195923j:plain


10/10(土) 曇のち雨
5:45 C1-7:20 黒蔵瀑-12:00 野竹法師-12:30 高山谷下降点-15:45 登山道横断地点C2

初日と最終日はアプローチの運転で半日潰れるので、中日は気合を入れて日の出と共に行動開始。暗い中、釜を持つ6m滝を越えて、巨岩のゴーロ帯へ。
ここを抜けると、黒蔵瀑手前の13m滝で行き詰まる。一旦戻り、右岸巻きで懸垂下降。
続く黒蔵瀑30m(地形図ではカンタロウ滝)は左岸から巻き、クライムダウンで滝の上に降り立つ。


f:id:PerseidCross:20151013200039j:plain


第三支流出合を見送ると少し河原が続き、幕営適地も幾つか出てくる。
やがて上ノ廊下と呼ばれる地点に入り、関門とも言うべき樋状10m斜瀑が登場。
ヌメる右壁から気合を入れて直登するが、この後は下・中ノ廊下ほどの長さはなく、あっさりと抜けてしまった。


f:id:PerseidCross:20151013200047j:plain


黒蔵滝らしき10m斜瀑を左壁から越えて終盤の廊下帯を抜けると、後は歩き主体。石垣や炭焼き場の跡が散見される。途中でシカが数匹、斜面を駆け上がって行った。


f:id:PerseidCross:20151013200055j:plain


源頭に近づくに連れて斜度がきつくなり、登れない連瀑を左→右と巻くと涸滝35mのある源頭部二俣に至る。
ここからは中間の尾根に取り付き、一部モンキークライムを交えながら直登していくと、ちょうど正午頃に野竹法師のピークに到着。
名前が特徴的だからなのか、紀伊でお馴染の山名プレートがいつも以上に多い。


f:id:PerseidCross:20151010120520j:plain


ここからゴンニャク山方向へ尾根を辿り、コルから植林帯の中を下降。
後半は赤布も付いており、そのまま高山谷に入る。懸垂下降を一回交えた後、ウォータースライダー状のナメ床が続き、その後はしばし河原状。この辺は幕営適地が多いが、これから天気が崩れる為、なるべく先へと進む。


f:id:PerseidCross:20151013200109j:plain


途中の連瀑帯は右岸から巻き下りる。最後の滝は人工物めいた特異な形状で興味深い。
右俣出合周辺から再び泳ぎを強いられるので、ライジャケを装着して泳ぎ下る。


f:id:PerseidCross:20151013200117j:plain

f:id:PerseidCross:20151010143757j:plain


15時頃からいよいよ雨が降り始め、陰鬱なゴルジュ帯を増水のプレッシャーを感じながら足早に抜けて行く。
途中で登山道が交差するポイントで、エスケープ確保の意味も込めて幕営
小雨の間はだましだまし小さな焚火を起こして夕食を作ることができたが、18時頃から雨脚が強まりテントに避難。やることもないので早々に就寝する。


f:id:PerseidCross:20151013200124j:plain


10/11(日) 雨のち曇
7:30 C2-10:30 高山谷出合-12:30 黒蔵谷出合-13:00 駐車地点

朝になっても依然雨だったが、保水力が強いのかほとんど増水は見られない。
欝々とした朝を過ごした後、ようやく重い腰を上げて7:30出発。


f:id:PerseidCross:20151013200133j:plain


この日もライジャケを着て泳ぎまくる。普通の沢なら名前が付くような瀞場が続き、相変わらず素晴らしいウォーターパラダイス。イモリやカエルを愛でながら、ラッコ泳ぎでどこまでも流されていく。


f:id:PerseidCross:20151013200141j:plain


途中のゴルジュ帯も強気で突破していくが、最後に飛び込むにはやや躊躇われる高さの滝が出てくるので、左岸を少し登って釜の中へと懸垂下降。その後も小滝を何度か滑り落ちたりしながら進んでいく。


f:id:PerseidCross:20151013200151j:plain


八丁涸漉と呼ばれる辺りは縞々の特徴的な模様が続く。この辺は前後に小屋や人工物が点在している。
ここを抜けるとようやく一日目に泊まった高山谷出合に到着。雨で一時はどうなるかと思ったが、何とか周回成功。


f:id:PerseidCross:20151011095452j:plain


ここからは右岸上部に付けられた水平歩道に上がり、黒蔵谷出合へと下山する。
概ね快適な道だが、一部崩壊しておりロープが付けられている。
途中の長いトンネルではヘッデンを付けて、ぬかるむ足元の中、コウモリをあしらいながら抜ける。(巻き道もある模様)
最後は少し晴れ間も覗き、大塔川の美しい流れを眺めながら下山。


f:id:PerseidCross:20151013200215j:plain


パートナーは夜から仕事という事で、高速を飛ばして直帰。こちらはネットカフェ泊。

翌日も昼過ぎまで仕事の為、しばらく時間をつぶす。午後はパートナーが某辺境クライマー氏のBBQに招かれていたので、大阪まで付いていく。我ながら、面識もない上に夕方に伺うという空気の読めなさぶりだったが、快く迎え入れてもらい、楽しい時間を共有させて頂きました。お世話になった皆様に感謝致します。


f:id:PerseidCross:20151012163806j:plain