雪中松柏 愈青々

徒然なる山の備忘録 

蓮川 奥ノ平谷

ルート:台高山脈 蓮川 奥ノ平谷~千石谷左俣下降(2015/9/5-6)
メンバー:ハッチ、みなぽ


9/5(土)
10:00 林道-11:00 魚止め滝-12:45 ホラ貝ノ滝-13:30 鎌滝-14:30 サスケ滝-17:00 赤倉谷出合C1

早朝に京都で集合して蓮川へ。車止めは奥ノ平谷と千石谷の出合付近にあるが、車高の低いレンタカーだと危険なダートなので、ヌタハラ谷出合よりさらに手前の適当なスペースに駐車。

10:00行動開始、車止めには先行者の車が二台。ここから沢に降りて入渓する。最初はしばし河原歩きだが、小一時間でゴルジュ帯へ。

まずは大釜を擁する4m滝から。左から泳いで取り付き奥を覗くと、さらに手強そうな魚止め滝5m。ここは通常はまとめて右岸巻きの様だが、とりあえず取り付いてみる。滝左手の泳いで行ける箇所からはボルダ―ムーブで登れそうだが、さらに頑張って滝の真下まで泳いで突っ込めばもっと登りやすかった。流心の左側リッジを快適に直登。


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仙人滝のゴルジュはこの谷で最も綺麗な場所の一つ。巻いてしまうなんてとんでもない。手前の淵を泳いで取り付き、斜瀑をシャワークライミング。陽光に煌めく水飛沫と淵が美しい。水と戯れ過ぎてメンバーが濡れて寒そうだったので、ここを抜けた地点で大休止。


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ホラ貝ノ滝は手前のゴルジュ帯を抜けて覗いてみるがやはり厳しそう。トポや幾つかの記録ではこのゴルジュを左岸から渋い巻きで突破しているが、明らかに右岸に容易そうなラインが伸びており実際簡単。この谷で唯一の懸垂下降で滝の上流に戻る。


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鎌滝を始め、幾つかの滝を経て核心のサスケ滝40mへ。ここも通常は巻きの様だが、右手の逆くの字が容易そう。落ち口手前まで水流沿いにフリーで登って、最後は滝の落ち口へ1P。容赦なく降り注ぐ水飛沫と高度感で、爽快な滝登りを楽しめる。


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この後も滝やゴルジュが幾度となく出てくる。幾つかはロープを出して直登を試みても面白そうだったが、明るい内に幕営適地まで抜けたかったのでサクサク進む。


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滝谷出合は二双滝の奥にルンゼが伸びる面白い地形。左岸巻きでゴルジュを巻くが、ここにも面白い滝が並んでいる。赤倉谷出合で17時となったので本日はここで幕営


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9/6(日)
7:15 C1-9:00 稜線-11:00 千石谷大滝-12:20 林道-13:45 駐車地点

懸念していた雨も降らずまったりして出発。25m滝の上部を左岸から巻き、最後の5m滝を直登すると、広大な幕場適地に到着。予想通り、先行パーティの幕営跡もあった。後はナルい源頭を詰めて稜線へ。


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稜線は展望が開けて気持ちが良い。しかしやがて雨脚も強まり、風も吹いてきて少々寒い。下降は千石谷の大滝上に降りる尾根筋を辿る。


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石谷の大滝は上部が綺麗な直瀑で、その下にも連瀑がかなり下まで続いている。滝の右岸から懸垂下降2Pで高度を下げて、滝の切れ目を横断。下部は左岸ルンゼを巻き下る。後は少しの歩きで五段の滝上に到着。ここから踏み跡で林道へ。


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石谷左岸林道は崩壊が著しく、崩落現場は完全に跡形もなく林道が消し飛んでいる。増水すると林道なのに渡渉で行き詰まる可能性あり。下山後は奥香肌温泉スメールで汗を流して帰京。

奥ノ平谷は初級者パーティなら巻きに終始してしまうが、それなりに頑張ればゴルジュ突破と滝の登攀がバランス良く楽しめ、中々充実した遡行になると思います。今回も紀伊の名渓を楽しませて頂きました。同行してくれたお二人に感謝です。