雪稜月間 part2 爺ヶ岳冷尾根
4/13(土)
7:40大谷原-8:30冷尾根取付堰堤-12:00 2049ピーク 12:45-14:00 2300付近(C1)
前夜発で、安曇野ほりがねの里で泊。朝起きると、目前には純白の常念岳。ここから大谷原まで移動。木々の間から零れ落ちる雪片が、桜吹雪の様で美しい。
7:40に大谷原から行動開始。まずは小冷沢沿いを進み、三つ目の堰堤の手前で渡渉して、冷尾根に取り付く。
取付で他パーティに出会ったが、尾根に乗ってから別ルートを辿って先頭に立ち、その後は終始ラッセル。
直前に降雪があったようで、二週間前よりも雪が多く、藪漕ぎ的な要素はほとんどなしで、快適な雪山登山。
12:00に2049ピーク付近に到着。当初はここでテン泊の予定だったが、まだ12時なのでパーティ内で相談後、行けるところまで前進することにする。ここからのラッセルはさらに大変で、急斜面をダブルアックスで踏ん張りながら登る。
14:00頃、ここから上は稜線に抜けるまで幕営適地が無さそうなので、行動終了。ルート工作を兼ねて、空身で上部の偵察などを行う。
夜は魚介系トマトスープ。山で見たことのない様な食材がどんどん出てきて、大満足の夕食。 外は鹿島槍南面の絶景、そして日が暮れると星空と夜景が楽しめる抜群のロケーション。
4/14(日)
4:45 C1-6:30略奪点付近(ロープ4P)10:00-10:30稜線-11:10赤岩尾根下降点-13:10西俣-14:00大谷原
4:45行動開始。相変わらずラッセルが厳しく、急斜面は一部胸ラッセル。
下部から目と鼻の先の様に感じた核心の略奪点も、辿り着くのに結局2時間弱かかった。
核心部手前でロープの準備をしている間、後続Pもテントを撤収して登ってくる。我々が結構な苦労して進んだ斜面を、ものの数十分ほどで登ってこられるのは、なんだかなあという感じ。
1P目 トラバースでブッシュに支点を取り、そこから雪壁の半分ぐらいまで直上。雪面下部は凍結しており意外と緊張する。途中で左にトラバースし、左端のブッシュで切る。
2P目 自リード。急斜面の雪壁を斜上し、上部のブッシュで中間支点を取る。ここから左に行って一気に稜線に乗っ越したかったが、垂壁でアックスも足場も決めずらい中途半端な斜面なので断念。ダケカンバ沿いに斜上し、凍結気味の斜面を登って稜線に乗っ越す。
3P目 稜線に乗ってからも60度強の斜面が続くので、引き続きロープを出す。
4P目 トラバースしてから、最後ワンポイントだけ緊張する乗り越しを経て、ロープ不要の緩斜面へ至る。
核心部を越えて大休止。左手には雄大な爺ヶ岳の姿。最後は雪庇に注意して大きく左寄りに進み、10:30稜線に到着。
稜線からは、対岸に十字峡を経て剱岳の雄姿を拝むことができる。そのまま登山道沿いに赤岩尾根経由で高千穂平へ。
赤岩尾根はここから急斜面の下降になるが、登山道を歩くのも面倒になって、右手の西沢へシリセードで下る。標高差300m程を一気に下降して、時間的に約一時間カットできた。最後は西俣から一時間弱の林道歩きで、大谷原に到着。
晴天の元、ラッセル祭りにロープを使った緊張感ある登攀と、充実した雪稜が楽しめた。