雪中松柏 愈青々

徒然なる山の備忘録 

金目川左俣

ルート:朝日連峰 金目川左俣(2017/9/9-10)


9/9(土)
7:10 在所平橋-11:20 二俣-12:40 井戸底ゴルジュ入口-14:00 2段20m滝下-14:40 C1

大石橋に車をデポした後、呼んでいたタクシーに乗り込んで金目林道へ向かう。やたら立派な林道で、ぶな林や不動岩の景観が素晴らしい。この林道はクマタカで開発中止になったという経緯をタクシーの運転手から聞く。


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在所平橋から入渓するが、渓相はやさしく河原歩きの趣。ぶな林が美しく癒される。本日の幕場は選択肢がほぼ一択で、急いでも仕方ないねということで、大休止を何度かはさみながら進む。


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魚止滝を越えるとすぐに二俣に到着する。左俣に入り少し進むと、両岸が狭まりゴルジュが始まる。小滝が連続するが、岩はフリクションが効き、ヌメりも少ないので、ステミングを多用しながら登って行く。


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小一時間進むと、ハング状の右岸の下に斜めに切り込んだ井戸底ゴルジュが現れる。左岸はスラブが広がり、朝日でありながら下田川内の様な景観。奥に入り込むとさらに両岸は空を覆い、まさに井戸底となる。ホラの貝やジッピの地形も始めて訪れた時は驚きだったが、こちらはそれの数倍の長さに渡りこの空間が続くので衝撃的。しかもすべて快適に登れるのが素晴らしい。


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ゴルジュを抜けても両岸が切り立った地形は続き、遡行者を全く飽きさせない。2段20m滝は下段をロープを出して左から登り、ヒョングった上段を左岸から巻き上る。


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この上に少し開けた場所があり、ここが左俣に入って唯一の幕場適地となる。御大マイブームのおつまみとSHOさんの絶品ビーフシチューを頂く。


9/10(日)
5:40 C1-8:40 奥ノ二俣-11:40 稜線-12:00 祝瓶山 12:30-14:30 大石橋

遡行開始後、いきなり7m滝のシャワー。一見悪そうだが、スタンスが多くフレンドリー。巨木の挟まった3mCS滝はトラバースは緊張しそうだが、水流に入って取りつけば難しくない。


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15m滝は登れないので、左岸のルンゼにロープを伸ばし、上がったところからトラバース&懸垂下降。その後の大滝もやはり登れないので、右岸の枝沢にロープを伸ばす。ここをトラバースすると、ちょうど奥ノ二俣に出る。


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左俣に進むと滝が連続する様になり何度もロープを出すが、いずれもハーケンがよく効いてプロテクションワークを楽しみながらの登攀となる。


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充実感に満たされた頃に稜線が見えはじめ、最後は10分程度の藪漕ぎで登山道に飛び出す。ゆるゆると沢装を解除して祝瓶山に向かうと、人気の山だけあって山頂は大賑わい。やはり朝日の景観はいつ見ても素晴らしい。


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ここから登山道を二時間歩いて大石橋に下山。荒川の流れはいつも通り美しいが、二週間前は大増水していたらしい。関川の隠れ名店で打ち上げて渋滞無しの関越で帰京。


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