雪中松柏 愈青々

徒然なる山の備忘録 

GW知床スキーツアー③

5/5 海別岳
10:45 駐車地-15:00 ニセピーク-15:30 海別岳-18:00 駐車地


この日も天気が良いので羅臼から移動して海別岳を目指す。海別岳は標高1419mで、知床連山の基部に当たる。整備された登山道はなく、山スキーで登られるのが一般的らしい。朝に所用で標津町に立ち寄ったので、十二川沿いの駐車地から出発したのは11時前という、山を登るものとしてあるまじきスタートとなったが、ピストンなのでご容赦願いたい。


f:id:PerseidCross:20170505124218j:plain


トポだと最初は林道を進むことになっているが、いきなり沢の橋が無くなっており、ずぶ濡れの渡渉を強いられる。その後の林道も藪々でイメージと違う。こんな調子で山頂まで行けるのかと不安になったが、主尾根の取り付きからはしっかり雪もあり、順調にシール登行で登っていける。単調な尾根なので、後は黙々と登るのみ。


f:id:PerseidCross:20170505134545j:plain


稜線直下はハイマツが広がっているが、尾根の左側からうまく巻いていける。ニセピーク直下でスキーをデポしてここから歩きで稜線へ。ニセピークから海別岳も微妙に遠く、シールで頑張って登ってきた方が楽だったかもしれない。


f:id:PerseidCross:20170505153403j:plain


午前中は快晴だったものの、午後から天気が崩れて、海別岳に登頂した頃にはすっかり曇り空になってしまった。しかし他の知床の山と同様、山頂からの展望は素晴らしい。北面・東面にはそれぞれ海が広がり、その間に道東の山並みが遠くまで続いている。知床縦走をやるなら、本来ここから始めるべきではと思っていたが、遠音別岳との間の落ち込みが結構激しく、標高が低い部分の藪を考慮すると、中々大変そうではある。


f:id:PerseidCross:20170505162935j:plain


単調な地形なので、下山は滑降であっという間。林道は最後で渡渉を嫌い、藪を突っ切って駐車地を目指したが、最後に柵が出てきて難儀したので、やはり渡渉すべきだった。この日も前日に洗ったばかりのズボンとブーツがドロドロに。この数日間で、GWの知床登山は高い峠から登らないと渡渉&藪漕ぎがもれなくついてくるという事を思い知らされた。


f:id:PerseidCross:20170505174036j:plain


ちなみに海別岳の入山地には「天に続く道」と呼ばれる道路があるが、下山後の黄昏時にふいにその光景を目の当たりにしてなんとも言えない充実感に満たされた。


f:id:PerseidCross:20170505184217j:plain


5/6 斜里岳
7:45 根北峠-11:40 稜線-12:35 斜里岳-14:10 根北峠


GW山行の最後のターゲットは斜里岳。今まで何度か移動で通過した根北峠から出発する。山スキー百山には東斜里岳を経由する尾根からの登頂が紹介されているが、藪の状態を見てその選択肢はないなと思い、その尾根のクライマーズ左の沢筋から登っていく。GWを通して入山者が多かったようで、トレースの数も多い。沢へ入るためのトラバースがポイントとなるが、その後はひたすら沢筋を詰めていくだけなのでとても分かりやすい。翌日、再びお会いした管さんに聞くと、この時期は毎月登っているほどのメジャールートらしい。


f:id:PerseidCross:20170506092910j:plain


標高1376mの稜線鞍部に到着してからは山頂までの進み方をどうするか悩むが、一旦沢筋に落として夏道登山道沿いに登り返すと、急な尾根歩きをパスしてスムーズに進める。山頂の手前は途中で細尾根になるが、この日は強風であおられて危険なのでスキーをデポ。最後は吹き飛ばされそうな強風の中、這いながらピークに立つ。相変わらず素晴らしい景色だが、飛ばされたらかなわないので、早々に退散。先ほどのコルには後続の山スキーヤー三人組の姿があったが、この風で難儀する我々を見てか撤退していった。復路も同様に一旦沢を落としてから、1376mのコルに登り返す。


f:id:PerseidCross:20170506124851j:plain


この日も海別岳に続き、快適な滑降で下山。赤テープに従って登りで沢に入った地点よりもだいぶ上から尾根に取り付くと、シールなしで台地に戻ることができた。後は緩斜面をだらだら下って根北峠へ。下山後に斜里岳の山頂を見上げると、もの凄い速さで雲が流れており、ギリギリの登頂タイミングだった様子。


f:id:PerseidCross:20170506133423j:plain


この日は北見に宿を取ったので、GWを通して満喫させてもらった知床を離れることとなったが、最後に清里の温泉から見た斜里岳や海別岳の姿が美しく、改めて素晴らしい場所だなと感じさせられた。


f:id:PerseidCross:20170506141322j:plain


5/7 移動日
北見周辺を散策した後、女満別空港から帰京。留辺蘂町山の水族館がかなり個性的で面白かった。
帰省から戻られた管さんからも色々と情報を伺い、よいGWの最終日となった。今度はぜひ三月の流氷に囲まれた知床を訪れてみたい。