雪中松柏 愈青々

徒然なる山の備忘録 

谷川岳~赤谷川~万太郎山

ルート:谷川岳~赤谷川~万太郎山(2017/3/4-5)
メンバー:Minapoさん


3/4(土)
12:00 天神平-14:30 肩ノ小屋 ⇔ 一ノ倉岳手前


早朝東京発、18切符でのんびりと土合へ。486段の階段を駆け上がってバスに乗ろうと思ったら、無常にも目の前を通り過ぎていったので、歩いてロープウェイ乗り場へ。気温が高く、この時点ですでに汗が噴き出る。天神平では天神バンクドスラロームというスノーボードの大会が開催されており賑やか。いつも登っているラインがロープで押しやられていて取付けないので少々手間取る。


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西黒沢もハイシーズンだけあってトレースでギタギタ。ゆるゆると登り、肩ノ小屋に荷物をデポして、一ノ倉岳付近まで散歩する。


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マチガ沢本谷は三浦さん達が朝にドロップしたトレースが鮮明に刻まれていた。夜は再び肩ノ小屋に戻り就寝。


3/5(日)
6:00 肩ノ小屋-7:15 オジカ沢の頭-赤谷川-9:00 登り返し-10:50 万太郎山 11:20-14:30 毛渡橋-15:00 土樽


トマの耳で朝焼けを拝み、小屋を出発。モルゲンロートに染まる国境稜線の縦走は本当に気持ちが良い。頑張ればシールでも進めそうだが、早朝はまだ斜面が固いので板を担いで進む。


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オジカ沢の頭では眼下に雲海が広がる。まだ太陽が低いので雲海をスクリーンにブロッケン現象も拝むことができた。これから進む赤谷川も雲海に覆われているが、山頂でゆっくりしている間に徐々に雲が消え、滑り始める頃には視界もバッチリ。ただし、赤谷川は源頭から西向きに伸びているので、朝方はあまり日が当たらない。


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赤谷川の滑りだしはカリカリ、シュカブラもあり、あまり快適には滑れない。やや緊張するトラバースを経て、沢底に降り立つ。


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ここからは緩い斜面をだらだら滑るだけだが、半年前に遡行した赤谷川の源頭を冬にスキーで滑るというシチュエーションは中々素晴らしい。


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前回沢登りで幕営した沢が大きく屈曲する付近で、万太郎山の南東斜面に取りつく。下部の標高差200mは沢を詰め、残りの300mは笹薮とハイマツの樹氷で歩きづらい尾根を登る。振り返れば赤谷川の全景が拝め、絶景の一言。

この時期、ドウドウセンや裏越ノセンはどうなっているのだろうかと想像しながら、行動食のブロックベーコンを頬張る。


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万太郎山の山頂では相変わらず絶景が広がっているが、少し休憩するとガスが湧いてきて一時的に稜線直下の視界がなくなる。とても滑れる状況じゃないので、稜線直下は板を担いで下る。


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何も考えないと万太郎山の北西に延びる尾根を辿ってしまうが、これだと右手の沢に入ってしまい、狭い沢筋を滑ることになる。ここは尾根に入らず、左手の西面斜面を下るのがおススメ。西面斜面は下部に台地状地形が広がるが、この上にオープンで最高に気持ち良い斜面が広がっており、仙ノ倉を眼前に一気に滑り切るのがこの万太郎越えのハイライト。


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台地状地形から毛渡沢までもまだまだ滑りが楽しめるが、さすがにそろそろストップスノー化してくる。アンモナイトが転がり始める中、ふと目を凝らせばウサギやカモシカが駆けめぐる姿も目に入る。


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毛渡沢は沢割れに気をつかいながらの滑降で右に左に行ったり来たり。最後は先週日白山に行くために歩いた林道を再び辿るが、途中で案の定知り合いのパーティに遭遇。
何度か歩いているが、毛渡橋から土樽駅の車道も微妙に長くしんどい。土樽駅に到着したのが三時間に一本しかない電車がくる30分前でちょっと危なかった。
恵まれた天気の中、楽しいツアーを終えた充実感に浸りながら再び18切符で帰京した。