雪中松柏 愈青々

徒然なる山の備忘録 

瀬戸内島巡り その一(直島、豊島、犬島)

昨年秋に訪れた越後妻有の「大地の芸術祭」がそれなりに楽しめたので、今回は瀬戸内国際芸術祭へ行ってみることに。

一回目は芸術祭の開催直前に、主要な美術館や既存展示をメインとして宇野(本土)~直島~豊島~犬島~宝伝(本土)のベネッセアートサイト周回コース。
二回目は開催日をまたぐ三連休で、神戸~小豆島~高松⇔女木島の周遊プラン。

 

 

瀬戸内オーシャンビュー #shodoshima

@perseidcrossが投稿した写真 -

 

setouchi-artfest.jp


~瀬戸内国際芸術祭2016 概要~

<海の復権>
古来より交通の大動脈として重要な役割を果たしてきた瀬戸内海。行き交う船は島々に立ち寄り、常に新しい文化や様式を伝えてきました。それらは、個々の島々の固有の文化とつながり、育まれ、美しい景観とともに伝統的な風習として今に残されています。

今、世界のグローバル化・効率化・均質化の流れの中で、島々の人口は減少し、高齢化が進み、地域の活力の低下によって、島の固有性は失われつつあります。

私たちは、美しい自然と人間が交錯し交響してきた瀬戸内の島々に活力を取り戻し、瀬戸内海が地球上のすべての地域の 『希望の海』 となることを目指し、瀬戸内国際芸術祭を開催します。

 

作品によっては地域との関連性が薄く、コンテクストが感じられないものもあるが、やはり魅力的な作品が多く見応えがある。

また、アートの魅力や里山・里海の美しさだけでなく、旅を通して地域の人々と触れ合い、コミュニティの大切さを実感できるという部分もポイントが高い。

主催者側がこの芸術祭を通して、どういう効果を期待しているのかということを知ることで、より味わい深い旅となる。

 

直島、豊島、犬島(2016/2/27-28)

直島上陸後はレンタサイクルを借り、まずは地中美術館李禹煥美術館など、ベネッセアートサイトのメインでもある美術館へ。
入館料は高いが、ジェームズ・タレルの「オープン・フィールド」や、ウォルター・デ・マリアの作品は一見の価値あり。

 

benesse-artsite.jp


本村港に到着後は、空き家などを改修して作品化している家プロジェクトの散策。
なにげない倉に展示されている石橋の「ザ・フォールズ」が特に圧巻だが、他の作品も完成度が高い。
初日は古民家の島宿あいすなお泊。

 

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二日目は豊島にフェリーで移動して豊島美術館へ。
ここの展示は「母型」という作品だけだが、床から湧き出た地下水が漂う様は幻想的な趣で人気が高い。

benesse-artsite.jp


ボルタンスキーの「心臓音のアーカイブ」などに立ち寄り、港に戻る為に自転車を借りようとしたら、なんやかんやで軽トラに乗ってけという流れになったのでお言葉に甘える。いちご屋でスムージーを購入した後、再びフェリーに乗り込む。

 

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犬島は美術館の展示も個性的で面白いが、90年前に廃止になった銅精錬所跡自体が独特の雰囲気があって趣深い。
家プロジェクトを一通り回って食堂で犬島丼を食べていたら、店のおばちゃんが島の歴史について自分主演のビデオを上映しながら説明してくれた。

 

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ここから再び船で本土の宝伝港に渡り、バスと電車を乗り繋いで岡山まで戻る。
一泊二日の駆け足だったが、インパクトのある作品や地元の方々との交流が楽しめて、素晴らしい島巡りとなった。

 

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【鑑賞した作品】

<直島>
地中美術館
李禹煥美術館
・家プロジェクト(南寺、はいしゃ、石橋、碁会所、護王神社、角屋)
・シップヤード・ワークス 船尾と穴、切断された船首
・南瓜、赤かぼちゃ

<豊島>
豊島美術館
・心臓音のアーカイブ
・勝者はいない - マルチ・バスケットボール

<犬島>
・犬島精錬所美術館
・銅精錬所跡
・家プロジェクト(F邸、S邸、A邸、I邸)
・犬島の島犬

 

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