朝日連峰 東大鳥川 西ノ俣沢~源太沢下降
ルート:朝日連峰 東大鳥川 西ノ俣沢~源太沢下降(2015/8/28-29)
メンバー:O介さん
当初は別ルートを検討していたが、残念ながら雨続きの予報で断念。このままどこにも行けずに終了かと思いきや、東北北部がなんとか持ちそうなので、ダメ元で朝日の西ノ俣沢へ転進。
結局雨には降られたが、初日のゴルジュ帯突破時は晴れてくれて、意外と快適に遡行することができた。
なお沢慣れた2人での遡行なので、ペースは参考にしないほうが無難です。通常、二泊三日で予備も一日付けるルートです。
8/28(金)晴
5:50 泡滝ダム-7:40 旧魚止め滝下-9:50 ねじれ滝-13:10 ツバクロダイゼン-16:00頃 C1
5:50 泡滝ダム発。天気は五分五分と見ていたが、なんとか持ちそうな雰囲気。
小滝を巻いたり、淵を泳いだりしながら進んで行き、最初の核心の釜滝へ。ロープを出して右岸から巻く。
その後はしばらく快適な河原歩きとなり、ヒョングった旧魚止め滝に到着。ここは連瀑帯になっているので、左岸リッジを登って藪に入り、降りれるところまでトラバース。1時間15分の巻き。
金掘沢出合を過ぎた後は、通常巻きそうな滝場もショルダーを駆使して登りながら進む。花崗岩の白い岩肌とエメラルドグリーンの流れが相まって、朝日の沢らしい美しい景観が楽しめる。
やがて次なるゴルジュ帯の入り口となる15mねじれ滝が登場。右岸から巻くが、最後滝の落ち口にトラバースする地点が怖い。斜め懸垂の形跡もあるが、今回は振り子トラバースで慎重に突破。
滝上は連瀑帯となり、最初の小滝を右からカムを使って突破。しかしすぐに突破の難しい滝が出てくるので、右手のルンゼを登り左岸から高巻き。少し上がると歩きやすいバンドがあり、約1時間で比較的容易に巻く。
2段10m滝は下段は右から快適に登れるが、上段が厳しそう。滝の途中でロープを使って右岸側に渡渉。すぐに甚六沢と出合うが意外と小さな流れである。
ここから少し進むと最後の難所であるツバクロダイゼン。パッと見、左岸巻きが容易そうだが、トポに従って右岸から巻く事にする。一見登りづらそうなスラブがあるが、階段状で意外と簡単。滝を三つまとめてトラバースするが、バンドがあり快適に進める。総じて巻きが素直で、四~五級の沢にしては楽な印象。1時間30分の巻き。
ゴルジュ帯の最後はCS滝があるが、簡単に登れて上部ゴルジュ帯終了。ここから釣竿を出し、釣り上がりながら進む。岩魚を三匹ゲットして適当な河原で幕。
8/29(土)雨のち晴
7:10 C1-8:30 支沢出合-11:10 稜線-13:30 源太沢出合-16:10 東甚六沢出合-17:30 泡滝ダム
日付が変わる頃から雨。朝になっても降り続け、沢の水位も上がっている。
待っても好転しそうにないので、7時過ぎに出発。ここから先は河原だけかと思っていたが、胎内の浦島を彷彿とさせる様なゴルジュが現れ、中々楽しませてくれる。
地形図上の水上沢の水と上の間の沢から、支流を詰めて甚六山の鞍部を目指す。下部は意外と手強い小滝が続き、中々侮れない。支沢は中流部で二俣となるが、地形図上だと右俣の方が標高差が少ないのでこちらに進むことに。しかしこれが大きな間違い。実は下降予定の東甚六沢を勘違いしており、この後大変な目に…。
止まない雨の中、約2時間30分で稜線到着。ここから沢型を下降するが、四~五回懸垂を交える。普通なら残置がありそうな場所にも何もないので、何かおかしいと思いながら下る。源太沢出合まで約2時間30分。
後は登山道まで難所はないかと思いきや、前方にゴルジュ帯が出現。4mの滝を懸垂で下りると沢は左に曲がり、少し進むとすっぱりと足元が切れ落ちる。覗かなくても分かる大滝の雰囲気。
トポには何も書いてないのに~と一瞬悪態を付くが、ここまで来れば状況の把握は可能。正しい東甚六沢を下降していれば、こちらのゴルジュを通過する必要はなかったのである。しょうがないので水を汲んで右岸から巻き下る。地形図上にないルンゼが二つ程あり、中々ルーファイが難しい。下降に約一時間。降りてみると美しい直瀑が見える。後で調べると源太沢は上部にも連瀑帯を擁しており、中々面白そうな沢である。ちょっとした寄り道になったが、源太沢の下降を楽しめたのでこれはこれで…。
これで本当に難所は終了。雪渓の詰まった東甚六沢を確認した後、吊り橋へ。快適な登山道を約一時間で下って泡滝ダムに到着。最後は晴れ間も覗き、充実感に浸りながら下山。