雪中松柏 愈青々

徒然なる山の備忘録 

奥志賀~魚野川源流FD

ルート:奥志賀 岩菅山 奥ゼン沢[初滑降](2015/2/11) 
メンバー:O介さん


6:50 焼額スキー場- 9:50 岩菅山頂(ピットチェック他)- 11:50 滑走開始-13:00 登り返して稜線-14:30 焼額スキー場

当初は他山域を検討していたが、気温が上がりそうなので2,000mオーバーで雪崩リスクも比較的低い志賀高原の岩菅山へ。

岩菅山は200名山でもあり、志賀高原の最高峰である裏岩菅山(2,341m)に連なる長大な頂上稜線は一見の価値あり…だが、スキー場から見える岩菅山はただの藪山で、一見するとあまり食指が動かない。
しかし、稜線の向こう側は沢登りの対象にもされる魚野川の源流域で、厳冬期にどういう景色が広がっているかはお楽しみである。

 

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始めは林道沿いを進むが、車が通らないのに何故か圧雪されている。帰りに通った際にクロスカントリーのトレースが残っていたので、練習エリアとなっているのだろうか。
林道終点から顕著な尾根に取り付き、緩やかに高度を上げて行く。

この尾根はクラシックなツアースキーのコースでもある様で、途中に赤テープも付けられている。
一部藪が濃くて難儀するが、全体的には許容できるレベル。
稜線直下の急斜面はスキーの切り替えしが大変だが、右手に逃げて上手く稜線へ出る。

 

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稜線上はややクラストしているが、風も弱くまあまあ快適。
出発から約三時間で石碑のある岩菅山頂に到着。
今まで登ってきた斜面はモンスターの群生する樹林帯だったが、反対側は対照的にまっさらな純白の斜面。

 

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目的の滑走ラインは山頂直下の南東面に広がる「奥ゼン沢」なのだが、時間もあるので裏岩菅山の方面に行ってみたり、数ヶ所でピットチェックしたりと、何だかんだでドロップまで二時間も費やしてしまった。
また、発達した雪庇で滑走斜面が見えず、ロープを出して斜面の向こう側に下りてピットを掘る(通称:猿回し)という手間もあり、それなりに神経を使わされた。
まあ、初物は時間がかかるということで。

 

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雪庇の薄い所から、山頂の東南東に伸びる尾根に少し下りると、調度よいスペースがあったので、そこから滑降開始。
滑り始めは45度ぐらいでそこまで難しくはないが、気温が上がって徐々に雪崩リスクも高まっており緊張させられる。

 

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斜面下部のスキーヤーズライトに台形状の退避に最適なポイントがあり、そこまでまずは一ピッチ。気持ちよく大斜面にシュプールを描く。

 

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そこから狭くなった沢状を二ピッチ、三ピッチと進む。
最後に10m程の滝があり、横滑りで下りようとするが少々苦戦。
下から見ると、スキーヤーズライトの尾根から巻けそうではあった。

 

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ここで滑走を終了し、1,670mの二俣からシールを付けて登り返し。
東面の沢筋は気温が高く暑さで少々やられる。
しかし北向きの斜面は涼しく快適で、正午を回ってもまだまだ雪質良好。
右手の滑走した奥ゼン沢を眺めながら、あれこれ滑走ラインの可能性について話し合う。

 

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2,070mの稜線に戻ってからは、反対側のハシゴ沢を滑降。修行系藪スキー。
気温が上がり過ぎて妖怪板つかみが出てきたので、途中でワックスを塗る。約一時間半で無事駐車場に帰還。

 

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気温が高い一日だったが、雪崩リスクの低いエリアをチョイスして、無事に初滑降も楽しめた。
また、岩菅山の東面はそれまで見えていた藪山の雰囲気と違って、無木立の大斜面が広がっており、まさに志賀高原の盟主に相応しい風格を兼ね備えていた。

今まで志賀高原はスキー場のイメージしかなかったが、アルパイン的な一面も垣間見ることができ、スキーで登って滑る山としての印象も深まった。

O介さん、どうもありがとうございました!(記録はコチラ