雪中松柏 愈青々

徒然なる山の備忘録 

2014 紀伊はじめ

ルート:台高 大杉谷、南紀 立間戸谷
メンバー:みなぽ

 

すでに今シーズン二回も沢はじめをやったので、久しぶりに紀伊半島へ行くことに。
メインは南紀の立間戸谷ということで、前日土曜の過ごし方を考えていたところ、大杉谷登山道が10年ぶりに全線開通ということで、日帰りハイクをしてみることにする。

大台ヶ原百名山に数えられているが、その魅力は深く切れ込んだ谷とそこに掛る大滝群にあり、稜線を歩いただけではその魅力に気付ない。そういった意味でこの大杉谷登山道は、台高の魅力を感じるには打ってつけのルートなのかもしれない。


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5/24(土)
11:00 駐車場-12:20 シシ淵-13:00 桃ノ木小屋-14:00 大崩壊地-15:30 シシ淵-17:00 駐車場

第三発電所の手前に車を駐車して出発。相方のMinapo氏は荷物なしで、いわゆるお姫様山行というやつである。一部、下ノ廊下を彷彿とさせる崖沿いの道もあるが、基本的にはしっかりと整備されており、コースタイムの半分以下のスピードで進む。

 

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千尋滝は木に隠れてあまり見えなかったが、シシ淵は奥に流れ落ちるニコニコ滝と相まって美しい景観。迫力ある平等嵓を横目に歩き、約二時間で桃ノ木小屋に到着。カップ麺を作って大休止。


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ここから大杉谷の核心部へと入り、やがて最大の見所でもある七ツ釜滝が現れる。
サワヤ的には是非とも登ってみたいところだが、今回はハイクなのでオブザべのみ。

 

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ここから左岸を巻く様に付けられた道を登ると、七ツ釜滝上の淵が綺麗な河原へ至る。天気も良いのでしばらくお昼寝タイム。ここから堂倉滝まではわずかだが、時間的にちょっとしんどい所もあるので、大崩壊地帯まで行って引き返す。

 

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帰路はシシ淵で泳いでいる学生グループを横目にサクサクと歩いて駐車場へ。と思ったらMinapo氏が泳ぎたいというので、途中の河原で水遊び。


この後は翌日の立間戸谷に向けて、新宮へ向けて南下するが、高速道路の無料区間が設置されているにも関わらず、古いナビのおかげで下道を延々と走らされて苦労した。この日は熊野川沿いの某所で一泊。

 


5/25(日)
6:00 登山口-7:50 牛鬼滝-10:00 植林小屋-13:00 登山口

早朝、同じく南紀に来ていた知り合いのNさんにご挨拶してから立間戸谷の出合へ。
新宮から相当山側へ走ってきたはずであるが、出合の橋の標高はなんと13m。

登山口には数年前の台風で子ノ泊山までの道が荒廃している旨と、沢登りの人気ルートでもある為か、遡行者に対する強い警告を発する看板が設置されている。

 

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源助滝を横目にケヤキ平までサクサク進み、二俣で右手の滝を越えると女性的な形をした牛鬼滝に到着。この滝は左岸の疎林を登っていくが、滑りやすいので要注意。

滝上からは素晴らしいナメが始まり、中華鍋ノ釜を右から越えると迫力の50m滝。
左岸の急な斜面を登り、落ち口横を慎重にトラバース。

 

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その後は上部岩壁の柱状節理が美しい30m滝。ここは左岸から巻き始めるが、続く滝群も併せて一気に巻くこととなる。巻き道はやがて尾根上地形からナイフリッジとなり、念の為ロープを出す。熊野川方面の展望が開けており、爽快な景色が楽しめる。

 

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巻きが終わると登山道に合流し、沢床に下りるとしばしのナメを挟んで植林小屋に至る。記録によるとここから先に1000mのナメがあるとのことだったが、参考にしたトポに台風で埋まったのではと書かれており、実際少し先へ進んでもそれらしきものが無かったので、ここで打ち切りとする。


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しかし下山後調べたら、やはりナメはこの先に存在しており、折角のハイライトをみすみすカットしてしまう羽目となってしまった。しっかり調べておけばまず起こらないミスだっただけに少々ショックがデカい。


下山は登山道を進むが、落ち葉が凄くて終始スリッピーな道なので気を使う。
登山道に悪態をつきながらケヤキ平に戻る。源助滝の下部に来たところでまだ12時過ぎ。気温も上がってきたので、しばらく淵で泳いで遊んでから下山する。

遡行時間は実質二時間程度でかなりお手軽な沢という印象だったが、今回は事前に情報をちゃんと仕入れず、屏風滝や上部の1000mナメという立間戸谷の名物をスルーしてしまったので、機会があればまた挑戦したいところ。

 

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なお、下山後まだまだ時間に余裕があるので、那智の滝を見物することに。新宮のすぐ近くというイメージだったが、紀伊のちょっとはそれなりに遠かった…。しかし一段の滝としては落差日本1位(133m)ということで、わざわざ見に行く価値がある。


二日間で結果的に沢登りをした時間はわずかであったが、紀伊半島の主要な観光地を巡れてそれなりの満足感。
次回の紀伊遠征では、中級以上の沢を計画して、しっかりと沢登りも楽しみたい。