雪中松柏 愈青々

徒然なる山の備忘録 

凄烈の柳又谷

ルート:北アルプス 黒薙川 柳又谷(2013/9/13-15)

 

シルバーウィーク前半戦は黒部集中で黒薙川の柳又谷へ。

水量は平水並みだが、そこは豪の柳又谷。初日から激しい水流に抗いながらの遡行となる。しかし途中でトラブルが発生した為、残念ながら核心部の手前で途中撤退。

今年は残雪が多く、稜線付近から観察するにクラガリ峡付近は雪渓で埋まっている為、遡行としては面白みが減ってしまう。しかし反面遡行難度は下がるので、そのまま進んでいたら抜けることはできていただろう。行動四日目に台風が来ることは分かっていたものの、初日で記録で出てくるMAXに近い付近まで行けており、抜ける見込みは立っていた。しかし、残念ながら同行者のトラブルで遡行を断念せざるを得なくなった。

 

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実際、遡下降した各枝沢を合わせると1,500m程度のアップダウンはしているので、三日間で柳又谷を抜けるぐらいの行程はこなしている。結構気合いを入れて臨んだ山行なので、肩透かしを食らった気分だが、バリエーションでは付き物の状況なので止む無し。

 

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初日の遡行は飛龍峡という水流の強いゴルジュを、ジャンプ渡渉を交えながら越えた。攻めのムーヴでスムーズに進むことができたが、ジャンプ渡渉の危険についてはしっかり把握しておかねばならない。

 

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また、撤退時は飛龍峡の下降は厳しい為、横山乗越経由での下山となるが、下降ルートが見つからずに杉谷を沢沿いに下降していたら、最後で連瀑の懸ったゴルジュが現れ、50mのダブル懸垂でギリギリ複数の滝をパスするという状況が続いて中々シビれた。昔から語り継がれる桂の大木は、残念ながら発見できなかった。

 

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撤退のわりに、三日間フルフルで動いたので、それなりに充実感の残る山行となった。良いケーススタディにもなり、今後の引き出しも増えたので、この経験を糧に今後の山行も安全に行っていきたい。

柳又谷自体は、遡行開始直後から美渓の北又谷と比べて随分と大味で、あまり強く惹かれるものは無かったが、核心部を通過していない以上、語る資格はないだろう。また機会を見て、再トライしたい渓である。