雪中松柏 愈青々

徒然なる山の備忘録 

雪稜月間 part3 白馬主稜&白馬沢滑降

4/20(土)

3:40二俣-4:40猿倉-6:00白馬尻-12:00白馬沢ドロップ-13:30猿倉-15:00二俣

 

仕事終わりで、レンタカーで白馬へ直行。神城で一時間半程睡眠を取り、3:40に二俣スタート。猿倉まで林道歩き一時間、さらにそこからシール歩行で白馬尻まで進み、6:00にようやく白馬主稜に取り付く。

白馬主稜は人気ルートなので先行者のトレースに期待していたが、周辺は人の気配が皆無で、主稜も当然の様にノートレース。こんなはずでは…と寝不足の頭が軽く眩暈を覚えたが、自分たちでラッセルしてこその雪稜!と気合を入れて登り始める。

 

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始めは雪原の単調な登りだが、徐々に斜度が急になり、ラッセルの深さも増す。リッジ状地形になってからは、木登りやダブルアックスを駆使した雪壁登りなど、雪稜の楽しさ満点。深雪のリッジを膝と脛で突き崩しながら、ガシガシ進む。

右手には小蓮華の逆Yの字と白馬沢、左手には杓子北東ルンゼに大雪渓と、白馬主稜は周辺の地形を把握するには絶好のルートでもある。

 

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序盤は天気も良く、楽しく登っていたのだが、11時頃から徐々に雲がかかり始め、気付いたら山頂はガスに覆われ、風雪の中の深雪ラッセルと、一気に悲壮感漂うシチュエーションに。

2,000mアップは当たり前の時期だが、ラッセルが加わると話は別。1,800mアップした辺りでラッセルの疲労と悪天のダメージで潮時を感じ、ピークまで残り250mを残した地点で撤退の決断。

軽くピットチェックを済ました後、白馬沢左俣の枝沢にエントリーするが、生コン雪で結構な斜度にも関わらず、板が全く走らない。さらにルンゼの中心部に行くと、下部に軽く凍結した層があり、通過する度にスラフがガンガン崩れ落ちる。

 

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滑降の楽しさなど微塵もなく、ガスと風雪の中、ひたすら斜滑降でスラフを避けながら左右に刻む。この雪では、白馬岳稜線からの滑降も相当厳しかったに違いない。例え山頂まで抜けていたとしても、今回の条件では白馬沢を滑ったと言える感じには到底ならなかったであろう。

左俣核心の滝は、枝沢にエントリーしたおかげで真横を通過して回避。そこから斜度は緩くなるが、今度はデブリ地獄で、スキーを走らすスペースがない。

歩いた方が早いんじゃないかと思うような避けの滑りを続け、デブリ地帯を抜けた辺りでようやくまともな滑降に。そのまま猿倉まで一気に滑り、みぞれの降りしきる中、二俣まで長い林道をだらだら歩いて下山。

 

 

今回は白馬主稜&白馬沢左俣のクラシックなClimb & Rideということで、今期のある意味集大成的な感覚で臨んだが、結果的にはラッセル、悪天、激重雪と、今期修業系の集大成とも言える様な内容に落ち着いた。

滑降の内容を重視するなら、やはりザラメ待ちすべきであった。今シーズンは機会がないかもしれないが、近いうちに必ずリベンジしたい。