雪中松柏 愈青々

徒然なる山の備忘録 

万太郎谷オタキノ沢

ルート:万太郎谷オタキノ沢(2017/10/14)


5:10 茂倉岳登山口-6:00 万太郎谷入渓-9:40 オタキノ沢出合-13:00 ドーム状50m滝下-15:40 登山道-18:10 茂倉岳登山口

茂倉新道登山口に車をデポして小一時間ほど林道を歩き、万太郎谷に入渓。
オキドウキョウは泳ぎを交えながら突破。沢シーズン終盤なので、濡れると当然寒い。井戸小屋沢出合を過ぎるあたりから紅葉も素晴らしく、秋の万太郎を存分に満喫する。


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一ノ滝は左壁からロープを出して登る。ピンベタ打ちなので簡単。ただし滝音で笛のコールが聞こえない様で、セカンドの登り出しに手間取ってしまった。ここを越えると、すぐにオタキノ沢出合。


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オタキノ沢入渓後は簡単な小滝を越えて、8mナメ滝で再びロープを出す。沢慣れしたメンツならロープ不要だが、今回は登攀的な沢が初めてのメンバーなので、これでもかというほどロープを出した。 続く2段10mトイ状は水線上を突破。


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20mトイ状滝は最高にシャワークライミングを楽しめそうな滝で、喜々として取付く。ランニングはカムやハーケンと合わせて、CSのタイオフを活用。メンバーが顔面びしょ濡れで登ってきて震えているので今更ながら雨具を着る。


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気が付くと対岸の万太郎谷がくっきりと見えており、山肌の紅葉が美しい。滝も楽しく、ロケーションも最高で言うことなし。続く10m滝も飽きずにロープを出してシャワークライミングを楽しむ。


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大岩が挟まった15m3段トイ状滝は左岸から巻く。途中からやや悪い巻きになるのでロープを出す。上部の滝も登れなさそうなのでまとめて巻く。
巻き終わりの13mナメは傾斜はきついが斜上バンドにステップがあるので、ここもシャワーを浴びながら登る。


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この上で左岸からスラブ沢が入り、沢は左に折れる。この辺りから急にガスが湧いてきて視界が消える。


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ドーム状50m滝、通称コロッセオはガスの中にぼんやりと浮かび上がって幻想的。ここはジグザクに登ればよいが、二俣かと思って中段から右にトラバースしたのが失敗。右手の沢は右俣ではなかったので、コロッセオの中段で行ったり来たり。落ちたらアウトなのでロープを出してトラバースするが、かなり時間を費やしてしまった。おかげでコロッセオの隅から隅まで堪能することができた。


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再び流線に戻って正しい右俣に入る。大きめのナメ滝がでてくるがこの辺はフリーで問題ない。前方には槍状岩峰と岩壁が出てくるので、ここの間のスリットに入り込む。10mトイ状は登れないので左のルンゼを直上するが、ズルズルでやや悪い。


この後は源頭の様相で、軽く藪を漕いで登山道に到着。最後はヘッデンのお世話になりながら、茂倉岳登山口に戻る。岩の湯から人参亭という安定のムーブを決めて、終電前に帰京。

水無川真沢~祓川

ルート:越後 水無川真沢~祓川(2017/10/8-9)


10/8(日)5:40 ゲート-7:20 デトノアイソメ-8:20 御月山沢の巻き 9:50-12:30 北沢出合-13:20 幣ノ滝上C1

10/9(月)5:45 C1-6:10 白竜の滝下-7:10 祓川大滝下-8:20 登山道-9:00 中ノ岳避難小屋 9:30-10:45 日向山-11:55 十字峡


10/8(日)

三連休だが土曜の予報が悪いので、転進案として日・月で水無川真沢を計画。
今年は森林公園までの道は十二神社の少し先でゲートにより閉鎖されているが、森林公園まで歩いて30分程度なのでそこまで問題はない。ゲート前でオツルミズに向かう同会のメンバーと遭遇して、ほぼ同じタイミングで歩き出す。

デトノアイソメまでは昨年、デトノオオナデ沢・滝沢・北沢と三度も通っているので見慣れた風景。今年も雪渓は御月山沢の巻きまで一切なし。


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御月山沢の巻きは昨年より明瞭な気がしたが、スリップしたら雪渓に吸い込まれるので初心者不可。少しの落石で足元の雪渓が爆音と共に連鎖して崩れ落ちる。最後は懸垂で川床に降り立ち、1時間半ほどで巻きが終了。


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続く滝は右岸巻きでダブル斜め懸垂で滝の落ち口へ。関門の滝とくの字滝は、それぞれロープを1P出して登る。


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くの字滝上のゴルジュの滝もすべて直登可能。北沢出合は昼過ぎに到着するが、三人なので昨年よりもやや時間がかかっている。北沢との二俣はやはり素晴らしい景観で、しばし写真撮影タイム。


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幣ノ滝は右壁をフリーでどんどん登り、最後に1Pロープを出す。冷たい水流に手を突っ込みながら斜上トラバースし、左壁から落ち口へでる。時間はまだ13時だが、この先によい幕場はないとのことなので、この辺の河原で幕営することとする。明瞭なスペースがある訳ではないが、砂利をかき分ければツェルトを張るのには問題ない。


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翌日遡行した際、祓川大滝の下にも一ヵ所幕営適地を確認したが、薪がないのと増水に弱そうなのが難点。時間に余裕があるなら祓川大滝を越えて源頭部に出るという手もあるが、悪天予報に追われているのでなければ、ここはやはり水無川の深淵で焚火と共に贅沢なひと時を過ごしたい。


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10/9(月)

翌日も朝から焚火を楽しみ、明るくなったタイミングで行動開始。最初の20m滝はロープを出して快適に登る。


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核心の白竜の滝はとりあえず取付いてみるが、右上するルンゼは逆層で苦戦しそうなのでしばし逡巡した後、リングボルトのロワーダウンで戻る。左トラバースしたところから直上の行けるか微妙そうなラインが見えるが、メンバー全員あまり粘る気はなかったので、早々に左岸巻きに移行する。ここは比較的簡単な巻きで滝上に出れる。


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ちょっとした幕場適地を見送った後、真沢と祓川の二俣に到着。祓川はさすがのスケール。滝全体で250m程の高さだが、ほぼ全てフリーで快適に登れる。最後の1Pだけ落ちたら大変なことになるので、ロープを出す。


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続く滝を二つほど越えると、沢は一気に源頭の雰囲気。対岸の極楽尾根から見ると分かりやすいが、なだらかな源頭と祓川大滝の大スラブとの切り替わりはまさに天国と地獄の様相。


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癒し渓の源頭を左、右と進むとやがて登山道に合流。ここから中ノ岳まで標高差350mアップを黙々とこなす。


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中ノ岳避難小屋には9時に到着。山頂付近はガスが取れたりかかったりですっきりしない。紅葉は見ごろで、登山道での下山も目を楽しませてくれる。特に日向山山頂からの中ノ岳と池塘の景観が素晴らしかった。


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後半は残暑を感じさせる様な気候の中、足早に下山してお昼前には十字峡に到着。デポしておいた車で三国の温泉へと向かった。

金目川左俣

ルート:朝日連峰 金目川左俣(2017/9/9-10)


9/9(土)
7:10 在所平橋-11:20 二俣-12:40 井戸底ゴルジュ入口-14:00 2段20m滝下-14:40 C1

大石橋に車をデポした後、呼んでいたタクシーに乗り込んで金目林道へ向かう。やたら立派な林道で、ぶな林や不動岩の景観が素晴らしい。この林道はクマタカで開発中止になったという経緯をタクシーの運転手から聞く。


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在所平橋から入渓するが、渓相はやさしく河原歩きの趣。ぶな林が美しく癒される。本日の幕場は選択肢がほぼ一択で、急いでも仕方ないねということで、大休止を何度かはさみながら進む。


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魚止滝を越えるとすぐに二俣に到着する。左俣に入り少し進むと、両岸が狭まりゴルジュが始まる。小滝が連続するが、岩はフリクションが効き、ヌメりも少ないので、ステミングを多用しながら登って行く。


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小一時間進むと、ハング状の右岸の下に斜めに切り込んだ井戸底ゴルジュが現れる。左岸はスラブが広がり、朝日でありながら下田川内の様な景観。奥に入り込むとさらに両岸は空を覆い、まさに井戸底となる。ホラの貝やジッピの地形も始めて訪れた時は驚きだったが、こちらはそれの数倍の長さに渡りこの空間が続くので衝撃的。しかもすべて快適に登れるのが素晴らしい。


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ゴルジュを抜けても両岸が切り立った地形は続き、遡行者を全く飽きさせない。2段20m滝は下段をロープを出して左から登り、ヒョングった上段を左岸から巻き上る。


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この上に少し開けた場所があり、ここが左俣に入って唯一の幕場適地となる。御大マイブームのおつまみとSHOさんの絶品ビーフシチューを頂く。


9/10(日)
5:40 C1-8:40 奥ノ二俣-11:40 稜線-12:00 祝瓶山 12:30-14:30 大石橋

遡行開始後、いきなり7m滝のシャワー。一見悪そうだが、スタンスが多くフレンドリー。巨木の挟まった3mCS滝はトラバースは緊張しそうだが、水流に入って取りつけば難しくない。


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15m滝は登れないので、左岸のルンゼにロープを伸ばし、上がったところからトラバース&懸垂下降。その後の大滝もやはり登れないので、右岸の枝沢にロープを伸ばす。ここをトラバースすると、ちょうど奥ノ二俣に出る。


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左俣に進むと滝が連続する様になり何度もロープを出すが、いずれもハーケンがよく効いてプロテクションワークを楽しみながらの登攀となる。


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充実感に満たされた頃に稜線が見えはじめ、最後は10分程度の藪漕ぎで登山道に飛び出す。ゆるゆると沢装を解除して祝瓶山に向かうと、人気の山だけあって山頂は大賑わい。やはり朝日の景観はいつ見ても素晴らしい。


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ここから登山道を二時間歩いて大石橋に下山。荒川の流れはいつも通り美しいが、二週間前は大増水していたらしい。関川の隠れ名店で打ち上げて渋滞無しの関越で帰京。


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